【50代の白内障体験④】白内障手術当日~後半|「プールの中」のような10分間、痛みゼロで終えた夜

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白内障手術、いよいよ手術室へ――まな板の上の鯉になる瞬間

いよいよ、その時が来た。
手術室の重いドアが開く。
私だけが、場違いなほどに緊張している雰囲気。
スタッフの方々は手慣れた様子で準備を進めているけれど、
こっちは心臓の音が耳元まで届きそうだ。

先生に促されるまま、手術台に乗る。
私服の上から、ずっしりと重みのあるシーツを被せられた。
手術する側の目だけがポッカリと空いている、専用のシート。
そして、冷たい機械のようなもので、瞼をガッチリと固定される。

瞬きすら、もう自由にはできない。
逃げ場はない。
「まな板の上の鯉」とは、まさにこの状態のことだ。

「もう、すべてを委ねるしかない。」
「ものの10分だ。頭を無にして時間をやり過ごせば、あとはクリアな世界が待っている。」
自分にそう言い聞かせ、ギュッと拳を握りしめた。

「プールの中で目を開けている」ような不思議な10分間

瞳孔が開いたままの目に、手術台の強烈なライトが刺さる。
視界はただただ眩しくて、白い。
手術が始まると、絶えず液体をかけられている感覚に包まれた。
そう、例えるなら「プールの中で目を開けている状態」。

何も見えない。けれど、意識は驚くほどはっきりしている。
絶え間なく響く、独特の機械音。
「これが、事前にネットで調べていた『水晶体を砕く超音波』の音なのか?」
なんて、頭の片隅で冷静に分析しようとする自分がいる。

不意に、SNSでフォロワーさんからもらったアドバイスを思い出した。
「手術中は、深呼吸を繰り返すと気持ちが落ち着きますよ」
その言葉をなぞるように、深く、ゆっくりと息を吐く。

事前に動画で予習していたから、手術の流れは頭に入っている。
先生が「レンズを」と指示している声が聞こえた。
(あ、もう少しで終わる……!)
その瞬間、張り詰めていた肩の力がふっと抜けた。
先生が顔を丁寧に拭き上げ、手術は終了。
時計を見てはいないが、確かに10分程度の出来事だったと思う。

「え、もう終わり?」驚きのスピード帰宅とコード決済

手術が終わり、先生が顔を拭き上げ、ガーゼと金属の眼帯をテープでガッチリと固定した。
片目だけの不自由な視界で手術台を降り、控室のリクライニングチェアへ。

看護師さんが点滴を外し、血圧を測る。
時刻は14時40分。
私は勝手に、ここから2〜3時間はゆっくり休ませてもらえるものだと思っていた。
しかし、血圧が正常だと分かると、看護師さんはあっさりと告げた。
「では、終わりましょうか」

……え、もう!?(汗)
あまりの早さに、正直驚きを隠せない。
促されるままにロッカーから荷物を取り出す。
困ったのは眼鏡だ。
片目は眼帯、片目は裸眼。
眼鏡をかけようとするが、金属の眼帯が邪魔をして眼鏡が浮いてしまい、まともにかけることができない。
結局、片目裸眼のまま、ヨロヨロと待合室へ向かった。

そこには、これから手術を控えた患者さんたちが不安そうな顔で座っている。
「手術日に、一体何人の執刀をするんだろう?」
そんな素朴な疑問を抱きながら、会計へ。
費用は約4万円。
その病院は、現金だけでなくカードやコード決済が選べた。
片目で見えづらいスマホ画面を必死に操作し、コード決済で支払いを済ませる。
(こういう時、キャッシュレスは本当にありがたい……)

家族の同行も迎えもない。
受付で呼んでもらったタクシーに乗り込み、自宅に到着したのは15時過ぎ。
病院を出てから、あっという間の出来事だった。

恐怖していた「術後の痛み」の正体

自宅に到着し、まずは何より安静に。
着替えてすぐにベッドに潜り込んだ。
眼帯は翌朝の受診まで外してはいけない。
しばらく仰向けで、じっと天井を見つめる。

一番の恐怖は、麻酔が切れた後の「痛み」だった。
「メスを入れたんだから、相当痛むんじゃないか?」
「鎮痛剤ももらったけど、飲むほど激痛が走るのか?」
経験のない痛みを想像すると、余計に怖くなる。

寝返りを打つのも慎重だ。
「手術した目を圧迫してはいけない」とネットで見ていたので、
体の向きを固定して、いつの間にか浅い眠りに落ちていた。

19時ころに目が覚める。
お腹は空くけれど、凝った料理を作る気力も視界もない。
あらかじめ準備していたレトルトカレーを温め、パックのご飯をレンジでチン。
「今日はもう、これで十分だ。」
そう自分に言い聞かせ、不自由な視界でカレーを口に運んだ。

しばらく片目でテレビを眺めていたが、やはり目は疲れやすい。
何より、早く「明日」になってほしかった。
眼帯を外した時、どんな世界が広がっているのか。
その期待と、少しの不安を抱えながら、21時には再びベッドに入った。

……ところで、あれほど恐れていた「痛み」はどうなったのか。
結論から言えば、翌朝まで痛みは全くなかった。
「あれ?本当に切ったんだよね?」と疑いたくなるほど、拍子抜けするくらいの無痛。
鎮痛剤の出番は、結局一度も訪れなかった。
(あの恐怖は何だったんだ……笑)

不自由な状態で、早く明日が来るのを待ちわびる。
眼帯を外した瞬間の感動を楽しみに、私は静かに目を閉じた。

翌朝の受診、そして眼帯を外した時の驚きの様子は、また次の記事で。

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たけ。
この記事を書いている人
サウナ・スパ健康アドバイザー/社会福祉士

長崎で暮らしています。
50代になり、ひとり時間の心地よさに気づきました。

蕎麦、サウナ、景色。
身体の変化も楽しみながら、週末に出会った「いいな」と思う感覚を、このブログに綴っています。

私の体験が、あなたの週末を少し変えるきっかけになれば嬉しいです。
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